09技術情報

技術情報

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6月11日~13日に行われたJPCAショー2008でナレッジベースアシストシステム発表、大きな関心を頂きました。

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プリント配線板設計システム

◆EMCナレッジベースアシストシステム

(株)ワイ・ディ・シーのプリント配線板設計CADシステム「CADVANCEαⅢ」において、高速高周波プリント配線板のEMC対応設計を支援することを目的として、(株)ワイ・ディ・シーが(株)システムデザイン研究所と共同で開発した、EMCナレッジベースアシストシステム。
本システムを使用することにより、CADVANCEαⅢに組み込まれている専門家のナレッジとノウハウを利用しながらEMCに対応した配線作業を進めることが可能となる。

◆ 高速高周波設計の問題点

現在では、高速高周波の基板設計を行う場合、配線長、等長配線などのコンストレイントを設定し、その設計ルールに従って設計を進めている。そして部品配置・配線を行った後、シミュレーションを行い、その結果、問題がある場合は再度配置・配線を見直すことになる。しかし、配置・配線のどこをどのように修正すれば良いのかすぐにはわからないのが現状であり、高速高周波の知識をもつ専門家に頼るしか方法がなかった。

◆ 開発コンセプト

高速高周波の基板設計を行う場合、コンストレイントを守っているだけでは正常に動作する基板は設計できないことはよく知られており、配線パターンの引き方やバイパスコンデンサの位置などの高周波に関するアートワーク的な知識が必要となってきている。本製品は、(株)ワイ・ディ・シーと(株)システムデザイン研究所との共同により、同社がもつナレッジ、ノウハウをCADVANCEαⅢの機能の中に組み込み、パターン設計中にEMCの問題点」をチェック、ガイドする機能としてEMCナレッジベースアシストシステムを開発した。これにより、設計コンストレイントと共にEMCナレッジベースアシストシステムを使用して設計を行うことで、プリント配線板設計者は専門家がもつナレッジ、ノウハウを利用しながら高速高周波に対応したパターン設計を行うことができる。従来は、パターン設計作業が終了した後に、シミュレーションを行って改良を繰り返していたが、配線パターン設計段階でEMCに対応した設計を行っておくことによって、シミュレーションを行う回数を減らすことが可能となり、設計期間が短縮される。(図1)

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◆機能概要

同システムの機能としては、①リターンパスガイド、②電源ピンバイパスコンデンサ」接続ガイド、③バイパスコンデンサ自動配置、④インピーダンスチェック、⑤シールド面最適クリアランスアシスト、⑥シールド面安定化、などがある。この中から、いくつかの機能について詳しく紹介する。

◆ 機能紹介

●リターンパスガイド
高速信号配線には、リターン電流が流れる経路を確保しなければならない。このリターン電流経路が高速信号線と密に結合してないとノイズの発生原因となってしまう。
 EMCナレッジベースアシストにおけるリターンパスガイド機能とは、高速信号近傍の電源・グラウンドで、信号線に沿ったリターン経路が存在しているか否かをチェックし、ノイズの発生原因となる電流ループの発生箇所を視覚的に表示する機能である。
この機能を利用することにより、設計者は現在配線している高速信号線のリターン経路が確保できているか否かを意識しながら、配線パターンの引き回しを検討することが可能になる(図2)。
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 特徴は、①理想の内層ベタ面を定義する必要がなく、多層基板だけではなく片面・両面基板の解析も可能、②リターン電流によるループ経路面積から電界強度を計算、③高速信号経路だけではなく電源供給部品も含めた電流ループ評価を行う、など。
●バイパスコンデンサ自動配置
 ICに必要となるバイパスコンデンサを自動配置する機能である。高速で動作をするICにおいては、バイパスコンデンサを入れる位置が非常に重要となる。ICの電源・グランドピンの位置関係を見て、ナレッジを基に実装面も考慮しながら、最適な位置にバイパスコンデンサの自動配置を行う。電源ピンに対してバイパスコンデンサが不足している場合には、自動でバイパスコンデンサの追加も行う(図3)。
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 特徴は、①ICの電源ピン、グラウンドピンの位置関係から最適な位置へバイパスコンデンサを自動配置、②ICからの高速信号ネットの引き出しを考慮して配置面・配置位置を決定、など。
●シールド面安定化
 通常、シールド面はビアを作成し、グラウンド面に接続するが、ただ等間隔にビアを打っているだけではノイズを抑えることはできない。このシステムにおけるシールド面安定化機能では、ビアを作成するべき場所をナレッジに従って自動検出し、必要な場所にビアを自動発生する(図4)。
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 特徴は、①指定された間隔で単純にビアを発生するのではなく、シールド面の形状を自動認識しノイズが発生しやすい箇所にビアを自動発生、②障害となる既存のパターンを押し退けてビアを発生、など。

◆おわりに

本稿で紹介した機能以外にも(株)ワイ・ディ・シーでは現在数多くのEMCナレッジベースアシストの機能を検討しており、今後も順次機能強化を図っていく計画だ。 EMC問題への対応は、今後とも設計者に求められ続ける課題である。これらの課題を解決するために、(株)ワイ・ディ・シーでは、様々な設計ツールを提供することにより今後も設計工程全体を最適化する設計手法の提案を行っていく。<請求番号 C5018>