3回目セミナーの要約と、S-NAP PCBレンタル開始のご紹介

※こちらのセミナーは終了しました。

 

8/3(金)の弊社セミナーには、暑い中にも関わらず多くの方にご参加頂き、心よりお礼申し上げます。

 

ギガヘルツの信号を扱う上では、反射「電圧」だけを考慮しても駄目。電力がどれだけ負荷に届くかが重要であること、そのためには配線長と位相角を考慮しなければならない、電力を伝えるにはインピーダンス整合が必要である という話が市川様からありました。ディジタルの低い周波数ではダンピング抵抗や負荷抵抗など、主に抵抗だけで一般的には何とかできますが、実際にはリアクタンスについても考慮しなければならないんですね。これらをうまく使うとパターンでフィルタが作れるという話もありました。私たちが何気なく設計しているプリント基板でも、配線がオープンだったりショートしたままにしておくと、思わぬトラブルに巡り合うかも知れません。気を付けましょう。

 

また、小川様からは平行線路を開いていくに従って放射効率が大きくなっていくこと、主なアンテナ(パッチ、スロット、マグネチックループ)が効率さえ気にしなければプリント基板上で容易に作れること、これらが実際の基板では随所に見られること など興味深いお話がありました。グラウンドベタのスリット部分にコンデンサを入れたら、新たな共振ループができて放射電界が10dBuV上がったというシミュレーション結果を提示していました。この例をみると、対策が実際には裏目に出ることもあると改めて認識しました。

 

お二人には、ディジタル、アナログ設計者に出来るだけ分かりやすく解説して欲しいと要望していましたので、もしかすると高周波を専門にしている方にとっては易しすぎ、また整合の基本がわかっていない方には難しすぎたかも知れません。テキストをもう一度見直し、理解を深めて頂きたいと思います。

 

なお、セミナーの会場で行った質疑応答の内容については、改めて講師の皆様にご回答頂き、後日弊社のHPに掲載します。

 

 

 

また、小川様(MEL)のご講演で使っていた3次元電磁界シミュレータ(S-NAP PCB)を、弊社セミナーにご参加頂いた方限定で、レンタル販売することと致しました。小川様のご講演中でも説明していましたが、プリント基板上の配線や電源・グラウンド(配線・面)などの結合状態を細かく見ることが出来るツールです。LSIの中に発振器を入れ、複数の配線から信号を出力したとき、周囲の部品やグラウンド・電源および配線に与える影響を細かく見ることができますし、外部からのノイズについては、コネクタピンや基板の上面からノイズを加え、特定周波数でインピーダンスが高くなる部位を容易に見つけることができます。

基板上のどの部分がノイズに弱いか、あるいはどこがノイズの原因かを容易に見つけることが出来ます。

 

特別レンタルモデル S-NAP PCB Suite RT/SDL
基本仕様 6層/3,000ピンまで対応

月々 19.5万円(税抜き)  ODB++のオプション付き、保守料込

 

となります。なお、S-NAPをストレスなくご使用いただくには、それなりのPCの性能が必要となります。CPUコアが多ければ良いというものではなく、CPUとメモリーの相性が良いことがとても重要です。CPUは6コア、メモリーは出来るだけ多く(少なくとも96GB以上)が基本と考えています。

弊社と関連がある会社で、オリジナルPCを設計・製造しているところがありますので、必要があればご紹介致します。おそらくメーカー品に対して60~70%程度でお求め頂けると思います。

 

 

さて、次回 9月7日(金)のセミナーは「対策部品の効果的な使い方」です。
TDKの菊池様にお願いしています。こちらのセミナーについてはもうお一人講師を物色中です。
決まりましたら改めてHP上で報告致します。

 

以上、よろしくお願い致します。

 

 

SDL代表  久保寺 忠

 

【問い合わせ先】
株式会社システムデザイン研究所
HP : http://www.k-sdl.com/
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Tel:045-548-4117